日本における違憲審査制の限界とは

日本における違憲審査制度においては、付随的違憲審査制が採用されていると解されています。

通説的見解としての付随的違憲審査制とは、アメリカ型の付随的違憲審査制を基礎とするものであり、最高裁判所に与えられた権限を、具体的な訴訟の存在を前提として、その解決に必要な範囲のみで違憲審査を行うことができる権限、というように解しています。

このことからすると、具体的事件の存在を前提としない、民衆訴訟や機関訴訟をその内容とする客観訴訟については、原則として違憲審査ができないということになります。

もっとも、これらの客観訴訟について、違憲審査をすべて否定する・・・としてしまうと、司法権による統制が十分に行えない場面が生じます。

選挙訴訟などはその典型です。

そこで、たとえば行政事件訴訟法5条は民衆訴訟について定義し、同42条は、「法律に定める場合において、法律に定める者に限り、提起することができる。」と規定し、行政事件において、通常原告において要求される法律上の利益がなくとも、法律で別途定められている者がその要件を充たす場合にのみ、これを提起できるとし、客観訴訟であっても、付随的違憲審査制の例外として、国民が提起できる場合を認めています。

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